2013年3月23日(土)、「ひとぼうユース・ミーティング2013spring」〜3.11から2年。いま、私たちにできること〜を開催しました。
 この催しは、東日本大震災の被災地の復旧・復興支援や防災・減災にかかわる活動を続ける若者が集い、それぞれの活動や課題につき、発表・共有しあうというもので、第4回目となります。

 今回のテーマは、東日本大震災から2年が経過した今、支援活動の情報を共有し、これからの課題を考え合おうというもの。
 ひとぼうの企画担当より簡単な主旨説明を行ったあと、前半では、東日本大震災の被災地への支援活動を行う10組の学生・NPO団体によるプレゼンテーションを行いました。そして後半では、参考になったこと、気付いたことを共有し合ったり、考えを深め合う時間を過ごしました。
 今回もさまざまな分野で支援活動を行う方々が集う場となり、抱える課題もそれぞれにあることが見えてきました。ただ、目指す活動は違えども「継続した活動を目指している」というところは共通見解であり、震災から2年が経過した今、これまでの活動をベースに、さらに継続・持続して活動できるための仕組み、内容づくりを目指してそれぞれの課題に向き合いながら取り組まれている、ということが伺い知ることができたように思います。
 ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
 今後も、東日本大震災の被災地支援活動を行う方々が集い、ゆるやかなネットワークづくりの一助となるような場作りをしていきたいと考えております。
 次回の開催は2013年の夏か秋を予定しております。
 ぜひ、またその時にお会いできますこと、また新たな活動のお話しがお聞きできることを楽しみにしています!

レポートは以下よりごらんください。
 ■活動プレゼンテーション
 ■グループワーク&まとめ

オープニング(平林ディレクター) オープニング(司会:岡愛子)

(オープニングの様子)

■活動プレゼンテーション

支援活動プレゼンテーションのレポートを当日の発表順に掲載しています。(凡例:プレゼンテーション団体名、プレゼンターの名前、発表概要)
また、各プレゼンテーションレポートの末尾には、プレゼンテーション団体について参加者から寄せられたコメントを掲載しています。

@「兵庫県立大学 Bridge」 谷端 晃輔さん

兵庫県立大学 Bridge 東日本大震災の復興支援活動を主として行う兵庫県立大学内のサークル。福島の子どもたちを兵庫県に招い たキャンプへのボランティア参加、東日本の被災地から神戸に避難されている方々のための交流会の主催、東北で買い付けた物産をイベントやインターネットで販売するプロジェクトの運営などの活動をしています。将来的にはNPO化も視野に入れて活動したいという思いもあります。

A「兵庫県立大学 災害復興支援団体 LAN」 江崎 桃子さん、井上 幹太さん

兵庫県立大学 災害復興支援団体 LAN 兵庫県立大学が行う「学生ボランティア派遣」に参加した学生を中心に組織された兵庫県立大学内のサークル。被災地でのボランティア活動を通して学んだことを話し合う「学生ボランティアシンポジウム」の主催、活動報告を掲載した情報誌「LAN TIMES」の発行(学内と大学HPに掲載)などを行っています。 また、福島県南相馬市で、農産物直売所とカフェを組み合わせた「野馬土カフェプロジェクト」に参加、現地で活動を通して福島の現状を知り、これからの1年は福島の農産物を県外へ広める「福島農業支援ボランティア」の活動を計画しています。

B「復興促進団体 Investor」 大前 拓也さん

復興促進団体 Investor 関西の複数大学の学生有志で組織する団体。「観光」「勉強会」「ボランティア」を組み合わせた東北への「スタディツアー」を主催し、これまで全14回、延べ500〜600名以上が参加しています。(訪問地:宮城県七ヶ浜町、宮城県気仙沼市、福島会津若松市)。また、現地の復興商店街でのお祭りを主催するなど交流イベントの運営や、高校での講演活動などを行っています。今後は東北の子どもたちを関西に招くことを計画しています。

C「チーム北リアス」 および 「大阪大学災害ボランティアサークル すずらん」 塩田 朋陽さん

「チーム北リアス」、「大阪大学災害ボランティアサークル すずらん」 「大阪大学災害ボランティアサークル すずらん」の代表。被災地支援ボランティアとして野田村に行ったことがきっかけとなり、大学を1年間休学し、野田村へ移住。岩手県の北リアス地域の復興を長期的に支援を行う「チーム北リアス」が野田村に開設した現地事務所スタッフとして活動していました。 現在は、「支援から応援へ」という合言葉で、産業応援につながるようなツアーを地元の方々と一緒に行う「野田村復興応援フィールドツアー」を開催しています。

D「関西福祉科学大学 ソーシャルワーカーの"声"プロジェクト」 泉 綾子さん、植田 美悠さん

関西福祉科学大学 ソーシャルワーカーの ソーシャルワーカーとは、福祉や介護の場面など生活する上で、困ったことを解決するためのサービスを提供する専門家。ソーシャルワーカーの"声"プロジェクトでは、関西福祉科学大学を中心に全国の福祉系大学生で構成し、復興活動に携わるソーシャルワーカーに現地でインタビューする活動を行っています。そしてプロジェクトのメンバーが、ソーシャルワーカーの"声"を「語り部」として紹介し、被災地の現状や課題を広く伝えるべく活動報告会や地域での講演会などを行っています。
前半のプレゼンテーション後の休憩中の様子。
休憩中も各団体が積極的に交流されていました。
途中休憩

E「若者ボランティア団体 繋」 今井 直人さん

若者ボランティア団体 繋 若者と地域あるいは企業のボランティアのニーズを「繋ぐ」役割を担いたいという思いで、地域活動(お祭りのお手伝い)、福祉活動などをしています。東日本への支援としては、「トートバッグ展」という催しをおこない、現地の職人さんが作るトートバッグの受注発注を代行し、就業支援につなげるという活動を行いました。個人の活動としては、関西大学の社会安全学部に所属していますが、現地支援ボランティアの活動を経験を通じて、自分たちが普段から災害へ備えておくことの大切さに気づき、防災教育の重要性を改めて感じています。

F「ワカモノヂカラプロジェクト」 久保田 勇次さん

ワカモノヂカラプロジェクト 「NPO法人生涯学習サポート兵庫」が運営するプロジェクトで、関西のさまざまな大学の学生が集まり、若者の元気を身近な社会に届けていきたいという思いで活動しています。被災地(ワカモノヂカラプロジェクトでは「復興地」と表現)で手作りされた手芸品などの販売、被災地の様子を広く伝える「ツタリベ」活動、支援団体が集い活動報告を行う「学生未来フォーラム」の開催などを行っています。また、最近では、関西へ母子避難されているお子さんのために、プロジェクトメンバーがお父さん代わりとなって遊ぶ会「サンデーロボッツ」のプロジェクトにも力を入れています。

G「不良ボランティアを集める会」 尾澤 良平さん、上好 慧さん

不良ボランティアを集める会 尾澤さん(団体代表)
ボランティアバス『まごころ便』の運行を継続して行っています。
これまで多種多様なボランティアに来てもらいボランティアの底上げをしたいという一心で活動してきました。(ボランティアの専門性や組織力が重視した活動が多くなっている中で)専門性はなくても自分にできることをしたらよいということを信条として、自分たちを「不良ボランティア」と名付けて活動しています。
上好さん(まごころ便に何度か参加)
何度も参加するうちに、現地の人たちとは、ボランティアと被災者の関係ではなく仲間のような関係になっていきました。本当は人と人とのつながりが生まれるのは、こんなとてもシンプルなことがきっかけなのかもしれないと思います。

H「踊りなはぁれ」 堀内 雅貴さん

踊りなはぁれ メンバーは京都・滋賀の11のダンスサークルで構成。東北からのゲストスピーカーを呼んでダンスで交流するチャリティイベントを京都で3ヶ月に1度開催しています。イベントでは、ゲストスピーカーが現在の東北の状況や必要なことを話してもらう時間を設け、単に楽しいだけでなく、震災のことを考えてもらえるようなイベントを目指しています。
また、被災地の高校に行き、ダンス教室をこれまで2回行いました。これからも継続していきたい活動です。 このような交流をする中で、震災が他人事ではなく、友だちの身に起こった出来事として考えてもらうためのきっかけづくりをしていきたいと思っています。

I「日本をつなぐフリーマガジン 志縁」 丸山 僚介さん

日本をつなぐフリーマガジン 志縁 『支援したい方とされたい方を繋げる』『防災の意識を高める』ことを目的として、被災地の方、被災地を支援する方、防災・減災活動に取り組む方々へのインタビューなどを元に紙面を構成したフリーマガジンを発行しています。
震災後、2人で物資支援に行ったことをきっかけに、自分たちでは何ができるか、と考えた結果、フリーマ ガジンの発行にいたりました。初刊は震災後1年目の3月11日、最新号は2年目の3月11日に発行し、現在発行部数は1万部、北海道以外の各県に配布しています。

各団体によるプレゼンテーションの後は、参加者がグループに分かれて話しあうワークショップ的な時間を過ごしました。

■グループワーク&まとめ

グループワーク 各団体によるプレゼンテーションの後は、参加者がグループに分かれて話しあうワークショップ的な時間を過ごしました。
参加者が4つのグループに分かれて、「今日のプレゼンテーションを聞いて参考になったこと、気付いたこと」をふせんに書いて、グループで共有したり話しあいました。
最後にグループ毎に発表し、以下のような意見が出ました。

・阪神・淡路大震災で被災経験を持つ方も同グループにいらっしゃったため、当時支援を受けた話しを聞いて、支援される側の気持ちも聞くことができたことは新鮮だった。

・震災後2年、これからの支援が大切になる。

・どういう風に継続していくのかということがこれからのポイントとなる。そのためには資金づくりも含めたが必要。

・不良ボランティアは意外と不良ではない、ということがわかった。

・現地に行くことも大切だが、被災地の方々から関西に来ていただくツアーを開催するのもよいのでは。災害が起こった時にお互いが支えあえるような関係作りも大切。

・実際に現地に行ってみないとわからないこともあることに気づいた。


・・・このような意見交換の他、どの班も本編で聞けなかったことをより深く話すような時間になったようです。