震災30年特別企画 2025
震災伝承の30年(これまで)と未来(これから)

NEWS
- 企画展がオープンしました。(2024.4.26)
- サイト公開しました。(2024.4.18)
特別企画展
再検証 ひとぼう 1.17 震災伝承コンテンツ
part 1:スペシャル企画:
災害伝承× 特撮。『5:46 の衝撃』 playback
特撮美術監督 三池敏夫 が 再現した 阪神・淡路大震災
part 2:『 1/1 ジオラマ 震災直後のまち』 reloading
part 3:『このまちと生きる』の30年 look back
会期:4月26日(土)~ 11月3日(月・祝)
会場:西館 2階 防災未来ギャラリー(有料ゾーン)
主催:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター
協力:株式会社トータルメディア開発研究所、株式会社東宝映像美術、ほか


part 1:スペシャル企画:
災害伝承×特撮。『5:46の衝撃』 playback
特撮美術監督 三池敏夫 が再現した阪神・淡路大震災
地震発生の瞬間を特撮技術で描いた映像につき、制作当時の希少資料とエピソードの初公開で振り返ります。



プラン図と、スタジオ撮影時の記録写真、実際のシアター上映画面の様子
当センターの来館者に最初にご覧いただいている「1.17シアター」の映像作品について、その制作時の裏側を初めてメイキング的に紹介します。今ではCGを用いてどんなことも自由に描き出すことができますが、人と防災未来センター開設当時は、まだこうした技術は主流ではなく、1.17シアターにおける「地震発生時の再現」の映像は、ミニチュア模型を作り破壊する「特殊技術撮影(特撮)」によって制作されました。当時ならではのこの作品は、今ではその希少価値がより高まるものとなったと言えます。
大地震の発生をいかに実写映像で再現したのか。この作品の特撮美術監督を務めた三池敏夫氏にスポットを当て、氏が残していた貴重な設計図面、スタジオ撮影時の記録写真、証言映像等の数々を展示初公開し、映像で描かれた各シーンの背景を振り返ります。これを通して、「特撮」が、実際に起きた出来事の再現にチャレンジし、震災伝承の一翼を担っていることを改めて紹介します。
展示要素:
- 特撮によって作られた『5:46の衝撃』概要
- 各シーンのプラン図面、設計図面、撮影時の記録写真と、三池監督によるコメント
- 三池監督インタビュー(2025年3月撮影)動画の上映
- 実際の被災写真と、再現模型写真との比較展示
三池敏夫監督プロフィール
1961年熊本県出身。1984年九州大学工学部卒業後、矢島信男特撮監督に師事。東映の戦隊シリーズ、メタルヒーロー、仮面ライダー等に携わったのち、1989年よりフリーで活躍。東宝のゴジラシリーズ、大映のガメラシリーズ、円谷プロのウルトラマンシリーズなどに特撮美術として参加。現在は株式会社特撮研究所(東京)に所属。
代表作:『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)、『日本沈没』(2006)、『ウルトラマンサーガ』(2012)、『巨神兵東京に現わる』(2012)、『シン・ゴジラ』(2016)、『Fukushima 50』(2020)、『シン・仮面ライダー』(2023)等。
※2024年発刊の、氏の仕事を集大成的に振り返る豪華図録『特撮美術監督 三池敏夫の仕事』(竹書房)において、数多ある実績の中から、印象に残っている作品としての自己ベスト10作品中に、当センターで上映の本作『5:46の衝撃』も選出。

「特撮」について:
特撮とは、現実には存在しない、もしくは撮影できないことを、特殊な技術を使って制作し撮影する映像技法のこと。特殊技術撮影とも呼ばれる。怪獣や恐竜など巨大生物が登場する映画や、戦争や大災害など通常の映像制作では再現不可能な作品では、生身の人間の芝居を撮影する「本編」班とは別に、「特撮」だけを担当する別班が組成されることも多い。
図録『特撮美術監督 三池敏夫の仕事』について、当センターミュージアムショップでの販売を予定しています。

part 2:『空間再現 震災直後のまち』reloading
被災した街の只中に足を踏み入れた感覚を体験できる演出空間。そこに込められたモチーフにつき、具体実例を示して解説します。


当センター4Fにおいて、「1.17シアター」から「大震災ホール」までをつなぐ通路は、震災で被災した街の姿を、実寸大サイズのジオラマ模型で再現した空間となっており、見学者にはここを巡っていただいています。建物の被害の様子、火災の発生の情景は、全て実際に起こった出来事をモデルとして再現されてはいますが、演出的な表現を優先しているため、その解説がありません。今回展示では、この空間のモデルとなった事象の実際の記録写真を対比的に示しつつ、この空間の要素を再確認し、展示に込められたことを、改めて解説します。
展示要素:
- ジオラマ模型 解説写真
- 各シーンのモデルとなった震災資料写真

part 3:『このまちと生きる』の30年 look back
一人称で語られるショートフィルムに込められた、震災から復旧・復興への足取りを30年の時間軸で振り返ります。






ショートフィルム『このまちと生きる』は、全編を実際の報道記録映像で構成しつつ、ナレーションによって被災地の象徴的な物語を一人称で伝える手法で、ドキュメンタリー風のドラマとして仕立てられています。当センターの「大震災ホール」では、2002年開設当初の完成版を、2008年に部分改訂した「ヴァージョン2」を現在も上映し、来館者にご覧いただいています。
ドラマではありますが、ほぼほぼ類似のことを多くの被災者が確かに経験した、という半ノンフィクショナルな作品で、この映像の中に紹介される事象は、1995年震災発生からの復旧・復興約13年目までの実際にあった出来事・足取りの記録となっています。この展示では、映像に込められた各事象ごとに、映像をストップモーションにしたかのように抽出し、これらのシーンの具体的意味を解説します。作品が制作された時点からその後現在に至るまでの時間経過も捉え、映像に描かれた要素を通じて震災から30年の歩みを俯瞰します。
紹介項目例(展示項目):
- 生き埋めとなった人の救出 〜隣近所の助け合い
- 火災の発生 〜その後の火災対策
- 避難所 〜ボランティアによる支援
- 仮設住宅 〜独居者の見回り訪問
- 復興公営住宅
- 共済制度 〜フェニックス共済の創設
ご見学にあたって:
会場:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 西館2F 防災未来ギャラリー(有料ゾーン)
ご見学には、人と防災未来センターへの入館チケットが必要です。
料金・開館日時情報等、詳しくは公式サイトでご確認ください。